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サッカーの行動規範

鹿島アントラーズ 1−0 アル・タラバ

1999年4月19日(日)、アジア・カップ・ウィナーズ選手権
国立競技場にて観戦

若手を多く使い、ややコンビネーションに迷いの見えた鹿島。 アル・タラバはイラクらしい落ち着いて繋ぐサッカーで前半は押し気味。 しかしその前半終了前に平瀬が決め、その勢いのまま後半は鹿島が優位に勧める。鹿島、辛勝で三位入賞。

まるで歌の詩句のように、雨に濡れるピッチ周囲のタータンが照明を反射して、ほのかに明るいムードである。

14時5分に鹿島のキックオフ。 まずは中盤で両軍が激しく奪い合う。
鹿島は左右のスペースを意識し、タラバは中央突破を考えているようだ。
タラバ、右サイドからのシュートを相馬がブロック、こぼれて‥‥再度のシュートを高桑は落ち着いてファーストタッチの捕球。
タラバの20番‥‥25番かな? ‥‥に一度集めて起点を作る。いわゆる10番の働きである。背番号が見にくい‥‥ 500円のパンフレットには掲載されていない。
更にタラバ、右トップが速くて巧い。再三破れられている。危険だな‥‥。 鹿島がやや押し込まれている6分過ぎ。
9分、オフサイドになったが‥‥タラバ、左サイドを破る鋭い攻撃。今は互角の内容だが、 この按配だと鹿島は危ない。FWがもっとプレッシャーをかけないと、タラバのDFから丁寧に繋がれて、 中盤からあっと言う間にゴール前に攻め込まれてしまう。
その鹿島‥‥味方のパスに対する反応が少し遅い。故に単純なパスミスが増え、 折角のチャンスも逃してしまう。チームとして本調子ではないのか‥‥
タラバ、右FKのチャンス! 高桑がパンチング‥‥中央でためを作って効果的に左右に散らす。そしてサイドから攻め上がる選手が小柄ながら速くて巧い。
鹿島はサイドをパスとスピードで破られるが、中央の秋田と室井のハードマークで何とか守っている。
15分、相馬がドリブルで仕掛ける。 これはうまく抜けていった。混戦からこぼれて鬼木のミドル! 初めていい形が出た。
19分、 相馬の中央へのクリアを拾い右へ繋いでドリブル‥‥平瀬らしい。するとトップは柳沢と平瀬かな? 中盤とのパスの連繋がよくないような‥‥
鹿島は好プレーが連続しない。その辺りが不調に見えるのだが‥‥
そして鹿島は前半最大のチャンス! 26分、FKを得、誰かな、左インフロントで中へ、 タラバはマンツーマンできっちりマーク、GKがパンチ、こぼれて‥‥オフサイドだ!
一転してタラバが攻める。やられっ放しにならない。 鋭い攻撃だ。右サイドから来る13番も早い、巧い‥‥
そして繊細なタラバが唯一見せた豪快なシーン、29分、鹿島ゴール正面、 30メートルほどの距離からのFK、CBの4番がクーマンばりのロングシュート。惜しくもバーの上だった。
鹿島は調子が悪い。 単純なミスパスが多く、特に守から攻への切り替えでそれが出る。だからFWも思い切って上がれず、余計に前線へのパスが消極的になる‥‥
な〜んていう嫌なムードを‥‥42分、平瀬のゴールで鹿島先制!CKからGKが飛び出し、 早めのロビングを柳沢、そして平瀬! 見事だ。

さあ、後半。タラバのキックオフに果敢に仕掛けボールを奪取。鹿島は中距離パスで繋いで攻め込む。
選手の交代もなかったらしいが、鹿島は後半にかなりよくなった。先制点の重みだろうか。
しかしタラバは冷静に繋いで来る。 決して遠くから放り込むことはない。その、スタイルを貫徹する姿勢には感服する。‥‥が、やや一本調子かな。
柳沢がキープからもつれて少々エキサイト‥‥しかしFKからこぼれて、左からのセンタリングがバーをかすめる。鹿島のペース。 ここで畳み掛けたいが‥‥
6分、阿部が抜け出してループシュート‥‥ゴールインと見えたが、バーの上だったようだ。
タラバのDFラインを、鹿島はドリブルで突破にかかる。ハーフタイムで作戦を立て直したようだ。功を奏している。
10分過ぎて、鹿島の好調に気圧されたか、タラバは運動量が落ちる。前半は容易だったパスカットからの素早い攻撃も鳴りを潜める。 鹿島は追加点が欲しい。
13分、右CKから秋田(?)のヘッドはGKを越え、カバーに入っていたDFが辛うじてクリア。これで2点は損した鹿島。
しかし16分、機と見て取るや、タラバはチームの意志の疎通を誇るような、畳み掛ける攻めを見せる。高桑が好セーブ、タラバのシュートは13番か?
互いに攻め合い、迫力と動きが出てきた。17分からの攻防である。ここでタラバは交代。11番が入る。左トップ気味に入れるのかな?
全く鹿島のペースなんだが‥‥タラバは中盤の守備が甘くなり、容易にドリブルさせてくれている。
24分、 何とか流れを引き寄せたいタラバは二人目の交代。鹿島はまだスターティング・ラインナップを崩さない。
タラバ、 さっきの4番はCBで‥‥5番が柳沢にくっついている。
後半、殆ど足の止ったタラバに、 調子の出てきた鹿島‥‥小気味のいい攻めについ魅入ってしまった。
CKも連続して何本取ったことか。まさに波状攻撃の鹿島。 しかし‥‥これ以上点が取れない‥‥
41分にタラバは三人目の交代。監督は諦めてはいない。勿論選手も。しかし終始押し気味の鹿島‥‥
そのままタイムアップ。

内容的にやや消化不良だが‥‥鹿島アントラーズ、三位入賞。おめでとう! こういう大会試合をもっと見たいものです。

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