目次へ サッカー勝手に観戦記
さあ、サッカーを語りましょう!

大分 4−0 奈良育英

2002年1月2日(水)、高校選手権
平塚競技場にて観戦。

大分の前評判がいいようなので、一昨日に続いて今日も平塚競技場。日当たりを考えてバックスタンドへ。
お、奈良育英側の応援席だ。一昨日、神奈川代表の桐蔭学園を破ったという強豪。これも何かの縁か。
奈良は4番、大分は2番、それぞれ普通ならディフェンダーがつける番号をFW登録の選手がつけている。何かありそうだ。

さあ、序盤から奈良育英が攻め込む。10番石田のミドルシュートで幕開けだ。
反撃の大分、バックパスを掻っ攫って、 9番内村のスルーパスに2番が突破、GKの手を掠めて‥‥ポストを叩く! まだ2分でこの攻防!
更に、 左サイド2番蔦野がスローインを受けてクロス、逆で合わせて‥‥これもポスト。大分は4分までに2点を損した。

奈良はスピードがないかな? 走る速さではなく、一瞬の判断の遅れを大分に突かれている。

大分のペース。CKが続く。FWながら2番をつけている蔦野の速さに、奈良DFは着いて行けない。
一旦、 中盤の底までボールを下げて(DFラインまでではないのがミソ)、トップやサイドの前線に出す大分の攻めのパターン。 ここ(スタンド)から見てて分かるぞ。ピッチの奈良育英の選手には分かるか?

15分、右サイドからのクロスに、押し込んだかに見えたが、 ファールチャージ。大分は攻め疲れか、奈良育英の右サイドが機能し始めた。

21分、大分の9番が復帰。 奈良育英3番西口のタックルで負傷していた。が、これは西口の判断が遅れ、慌てて仕掛けたタックルによるもの。この試合を通して、 象徴的な負傷だったかも知れない。

互いに攻撃の手口を理解し、ちょっと一息? 膠着。

目の前には奈良育英の応援団。 ブラスバンドはあるものの、メガホンを持っての声援は心地よい。 しかし‥‥攻められている時に「ゴールだぜ〜」と歌っているのはどうかと思う(笑)。相手CKの時にも、だ。 「きちっと守れ、マークに着け、ボールばかり見るな!」とコールしたらいい。一対一には強いが、パスワークで翻弄されているぞ。

大分先制!

30分、左サイドを切り裂いた。マイナスのクロスをカットしたDF‥‥無念のオウンゴールだ。 しかしこれは、その前に、あの位置までドリブル突破を許したチェックの甘さに起因する。いや、それとも、ドリブラーを誉めておこうか‥‥。

ハーフタイム。突風が起こる。これ以降、第2試合の終わるまで風が吹き荒れる。 風上の利を生かせれば、奈良育英にも充分チャンスはある!
後半から大分は7番羽田野から16番小早川へ、奈良も9番から8番にそれぞれ交代。

さあ、奈良育英、左サイドから速攻。11番大塚のミドルはブロック、前半にない形だ。いい兆しかな。

中盤の攻防、奈良4番にイエロー。 大分4番を倒した。大分はよく倒れては痛がる。そして、8番がそのFK、2番がヘッド。
奈良育英の守備陣は、全くフリーにさせていた。 全体的に淡白だぞ。

11分、大分は突き放す2点め!

奈良8番森のドリブルをが風に流れてインターセプト、 そのまま左サイド大分14番渡里、3番西口がカバーしたがかわされ、センタリングに合わされた。待ち構えていた2番蔦野のヘッドだった。

風下なのに押している大分。でもシュートが下手(笑)。もう15分。風上で、太陽も背にしている奈良育英は、 それを活かせない!

大分、風のゴールだ。16分。

GKが飛び出したところをかわして、無人のゴールに。 これも風でロビングが押し戻されたのを、GKが読めずに取れなかったためだ。またも大分2番蔦野のゴールかな?

‥‥そして、 奈良育英4番にレッドだ。2枚目のイエローだった‥‥。これはちょっと気の毒な退場劇だった。何故なら‥‥
大分はここで16番小早川から18番古畑に交代。あれ、大分4番吉野にもイエロー。それほど荒れてはいないが‥‥。

27分、PK! 大分はリードを広げる。

奈良18番太田かな、トリッピングだった。 クロスボールにGKが目測を誤り‥‥風でボールが流されたため、飛び出したが触れず、マウスに戻るのが遅れた。PKは2番蔦野、 ハットトリックだ。そして18番大太田は一発退場。二人も少なくなった奈良育英‥‥。

二人も退場しては‥‥攻守ともに厚みを欠くことになる奈良育英。あと5分。こうなったら、失点は覚悟で攻め込んで欲しいが‥‥。

大分は9番に代えて7番。勝利はほぼ決まったので、あとは負傷者が出ないように‥‥一人でも多くの選手に試合に慣れさせるように‥‥。

初めて風を利用してロングシュート、大分GKが下がりながらのパンチングでCKへ。これをカット、クリア‥‥ここでタイムアップ。

風上を利用するどころか、風下を利用された奈良育英。4失点のうち2点は風でボールが流れるのを見誤ったため。
二人めが退場になった後、長身DF3番西口をもっと早く前線に上げてパワープレーにしても面白かった。 そしてその後にGK河原がファインセーブを続けたように、個々の能力は低くなかった。

大分は‥‥組織もさることながら、FW2番蔦野。ヴェルディを引退した武田選手に、得点の嗅覚と一瞬のスピードが似ている。 さあ、どこまで行くか、楽しみだ。
強風のないコンディションで見たかったが、これもサッカー。

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